神鹿苑  

米谷佳也(M1),小川千智(B4),村田琴音(B4)

江戸時代から時間軸の中で形成されてきた、鹿と人が共生する美しい風景をランドスケープ遺産ととらえ、その風景を下支えする鹿の収容所「鹿苑」の在り方を再検討した。鹿と人の境を、既存の柵から見直し、サクラを守る境界、鹿の生活環境を守る境界、水系を守る境界の三つに改め、単なる保全にとどまらず、新たな役割と魅力を付与した。訪れた人々は、鹿の墓である桜の回廊を進み、この境界越しに悠々と駆ける鹿たちを見て、ここに鹿が囚われている所以が人間であることを知り、そして自らの態度を悔いる。
この新たな鹿苑の提案によって、水質悪化という景観的課題から、人の態度という精神的課題など、隠されし奈良公園の課題を解決する。

Comment

様々な人と鹿の視点を考えると、正解がなく何度も行き詰まりました。これから先も考え続けるべき課題です。