表象を解く -獣害から辿る,野生動物と人の共生への提案-  

山口 麻裕子(B4)

奈良市においてシカは天然記念物として保護される一方,東部ではシカによる農業被害が急増しているが,その実態は公に知られていない。そこで,有害鳥獣の捕獲を含めた生態系の営みに触れる場を設計し,これからの野生動物との向き合い方を考えるきっかけをつくる。解体処理施設や酒蔵,オーベルジュなどの施設は現在の「表層的な」奈良観光の背後に隠された自然の仕組みを可視化し,それらを巡ることで人々はシカへの信仰心を正しく認識するようになる。真の文化的景観を愛でる新たなツーリズムは,奈良の地に見合った生態系バランスを整えていくための初期微動となる。

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地元の方をはじめ,色んな方々のお陰でこの提案ができました。ありがとうございました!